2009.5.20　新型BR・BMレガシィ誕生！�D

今回の新型レガシィのカタログ。

　左からB4、ツーリングワゴン、アウトバック。

　スバルとしては、今回「おメメポイント！」と言いたげな表紙のカットです

こちらが会場で配布していた簡易版カタログとコンセプトや商品の訴求ポイントをまとめたリーフレット。

　スバリストにとっては、もはや基幹車種レガシィのモデルチェンジなどの度に出版される見慣れた「サブテキスト」ですが、今回はちょっとうれしいことがありました。

上の右側のリーフレット「The Story of LEGACY vol.04 - 新型レガシィ発売記念特別号」と銘打たれた方の表紙を開けると、歴代全レガシィのカタログがお出迎えしてくれるという、心憎い演出。

　考えてみれば、この20年で生まれては消えていった車種、車名がどれほどあるでしょうか？

　新型レガシィという存在が、あくまでこの20年の積み重ねの上にあるんだぞ、というメーカーの「決意表明」なのかも知れません。

今回の発表会の来場記念品、新型レガシィB4とアウトバックのプルバック・ミニチュアカーです。

　ひとり一個ということだったので、家内も動員して2個頂きました。

　実はもうひとつ、ホワイトパールのツーリングワゴンもあって、そちらもノドから手が出るほど欲しかったのですが、「ご成約」ではないので、スタッフを困らせるようなムリを言う勇気はありませんでした。

全体的に「サクッ」とした軽い仕上がりのミニチュアカーで、ウィンドウはブラックアウトですから「もう少しディティールが・・・」という向きもあるかも知れませんが、この厳しい時期にあえてこういう販促品を用意してくれるだけでもうれしいことです。

　また、プルバックとはいっても、全体的なプロポーションの正確さは特筆モノで、妙なデフォルメや強調がされていないのも好感が持てます。

　CAD図面をそのまま飛ばして金型を作ったのでしょうか？

というわけで、新型レガシィの発表展示会をとても楽しませてもらった私です。

　今回の新型レガシィについて総括すれば、それは「ごくまっとうなスバルだった」ということ。先代のBL/BPレガシィでは、GDBインプレッサを購入したばかりで、資金的な余裕がなかったということもあったのですが、あまりにスマートで、「私のクルマだ！」とは正直感じられなかったのですね。

その点、今回の新型レガシィは、量感が増したボディは先代のようなスマートさと比較すると、カッコいいか悪いかの判断は個人の主観にお任せするとしても、物理的なユーティリティを優先するという、合理的な「理由」に基づいていることは、とかく「走り」一辺倒で語られることがほとんどだったスバルというメーカーの「これから進むべき道の模索」という意味では、まあスバリストの心情としては「がんばれ」と素直に応援したい思いは持てたと思います。

というのは、スバルが2008年シーズンを持ってWRCから撤退して、従来のようにモータースポーツを通したスバルというメーカーの「スポーツイメージの訴求」という手法が使えなくなったためです。

　原油価格の高騰や動力、あるいは代替燃料への関心が高まる中、私にもスバルが今後どのような方向へ進むべきなのか分かりませんが、少なくとも自動車の運動性能をパワーやタイヤの性能に頼らずに向上させるという技術では、国産の他メーカーと乗り比べても一枚上手だということは明らかです。

　ただし、「技術は資本なり」の言葉通り、自動車の技術はカネがあれば買えてしまうものでもある訳で、今ブームのハイブリッド車が「過渡的技術」で一過性のもので終わるにしても、いずれ国を挙げてそうした代替動力や燃料へのシフトが一気に進むようなことにでもなれば、その「走りを磨き上げる技術」など消し飛んでしまうのではないかという一抹の不安はあります。

　その点、EV（電気自動車）で、早い時期から研究開発に取り組んでいて、曲がりなりにも今年「ステラEV」が発売の運びとなったことは大きな救いと言えるかも知れません。

結局、新型レガシィのPGM(プロジェクト・ゼネラル・マネージャー）日月氏の「ウチはプレミアムメーカーでもなんでもない」という言葉こそ、今の富士重工業というメーカーのあるべき本質を言い当てているのかも知れません。

　そんなことを考えながら、今回発表会場で頂いたカメリア・レッドパールのアウトバックのミニチュアカーをひねくり回している管理人の頭の中をローマンレッドメタリックのAJレオーネ ツーリングワゴンが走り抜けていった。